日本科学未来館でテオ・ヤンセン展をやっていると聞いて、すぐ次の日に行ってきました!
テオ・ヤンセンはオランダ出身のアーティストで、
今回の展示は彼の代表作「ビーチアニマル」を科学的な視点とともに紹介。
まず「ビーチ・アニマル」について基礎知識。
- ビニール・チューブの組み合わせのみでできている
- モーターのような機器などは使われていない
- 風を食べて歩く
とやかく言っても伝わらないと思うので動画を貼りますね。
こちらがビーチアニマルの認知度が一気に上がったBMW(南アフリカ)のCMです。
感動するにしろ、気持ち悪い!と思うにしろ、鳥肌が立ったこととおもいます。
今回このビーチアニマルが日本に一気に10体以上やってくるとのことで、そりゃもう実物を見に行かねばと。
▼物理と芸術エリア
テオ・ヤンセンの紹介とビーチアニマルの構造と生体について解説しています。
テオ・ヤンセン機構と呼ばれる、生々しく歩行する「骨格」は、まずコンピュータ・プログラムで解析された13本の「骨」から始まりました。
▼生命研究エリア
ビーチアニマルを科学と絡めて「進化」の順に展示していくエリア。
最初のビーチアニマル、グルトン期のアニマリス・ヴァルガリス。
この頃は仰向けで脚が動く程度でした。
関節部分は別にヤンセンさんがめんどくさがりというわけではなく、
人間がタンパク質から出来ているように、
生物である以上ほぼ同じ組織から身体が出来上がるべき、という考えからのものです。
一番感銘をうけたのが、このリグナタム期のビーチアニマル。
どんどん巨大化していくビーチアニマルは、歩行するために「木材と金属の関節」という進化の選択を取ったのです。
だがその選択がゆえに繁栄することができず絶滅してしまったのです。
ビーチアニマルたちがだんだん「生物」に見えてきました。
「風で動く」と聞いたとき、ヨットにように風を受けて動くものを想像すると思いますが、
進化の末、ヴァポラム期にはペットボトルの「胃」に風を貯めこみ、
動きたいときに風で動くことができるようになったのです。
つまり彼らは風を食べて生きている!
セレブラム期。
このビーチアニマルは翼を支える車輪とヴァポラム期の神経細胞、2新数で計算する歩行計が特徴。
ついに「脳」を持ったわけですね。
浜辺で生きていく上で波に打たれないよう危機回避をすることができるようになりました。
▼アクションエリア
実際に動いている姿を見ることができるアクションエリア。
現在生きている2体を30分ごとに交互に実演します。
屋内のため風を食べ動く様を見ることはできませんが、充分満足できる内容です。
こればっかりは本当に自分の目で耳で感じてほしいです。
呼吸してるんですよ!!
新種のビーチアニマルは頭の「杭」を打つことで停止と方向転換が可能。
ちなみに生命研究エリアでもビーチアニマルを自分で掴んで動かすことができます。
▼ワークショップエリア
このエリアではペーパークラフトと大人の科学の付録の一部を実際に作ることができるエリアです。
ペーパークラフトはエントランスのショップにも売っていたので買って帰りました!
ヤンセンさんのラボをイメージした展示も。
20年ちかい試みなのでパソコンがATARI製!!
2011年の2月までやっているそうなので少しでも興味がある方ならぜひとも見に行ってほしいです。
立体作品の展示として見ても、物理学・生物学など科学的な視点から見ても楽しめる、視覚と思考が不思議な感覚に満たされていくイベントでした。
「テオ・ヤンセンの試行錯誤」が、まるで「生物の進化」にように感じ取れるのがビーチアニマルの面白さの真髄だと思います。